お借りしているVintageは程度が良いので、レザーパッチの印字がまだ確認できますが、そこには501XXCと記載されています。

正直写真でしか観た事が無いのですが、30年代のフラッシャーには"The Rivet's Still There"と記載があるように、37モデルは初めてコンシールリベットが採用されたモデルとなります。

古泉さんに教えて頂きましたが、Concealed Rivetsが入っているよという意味で、品番にもその頭文字のCが追加されているようです。

ですので、TCBでも30's Jeans Cと命名させて頂きます。

TCB jeans カタログ抜粋

初めてのコンシールリベットにより、今までは二本針の並列ステッチから1本針縫製に縫い方が変わり、リベットを避けて縫うようになりました。

Vintageも丁寧に縫われているのですが、左右で形が違うためTCBでは右用と左用でパターンを作り分けて、それぞれの若干の歪みを丁寧に再現する事にしました。

※通常、ジーンズにおいてバックポケットのパターンは左右で全く一緒ですので、正確にきちんと裁断＆縫製をしていれば、完全にシンメトリーになります。

ですが、このビンテージ個体では左右のポケットの見え方が少し違うので、TCBではそれぞれのパターンを作りました。

TCB jeans カタログ抜粋

37になってサスペンダーボタンは無くなりましたが、バックシンチは残ります。

二本針のバックシンチをTCBでも採用しています。

沢山のビンテージ個体を見てきたと自負していますが、ビンテージにおいてはシンチはきちんと利用されて、穴が貫通している個体が多い印象です。

TCB jeans カタログ抜粋

股リベットがこの時代はまだ打たれています。

焚火の際に男性の皆様なら想像しやすい理由で、カウボーイ達から不評だった説なんかも有名ですが、大戦期に入る時までは存在していました。

TCB jeans カタログ抜粋

コインポケットの耳の部分のステッチワークがコバ縫いになっています。

同じようにコバに縫っていますので、コインポケットの内側上部の耳が遊んでます。

帯下とコインポケットの間が狭めなので、コインポケットが相対的に大きく見えています。

ちょっとしたことですが、ポケット周りの印象が少し変わりますね。

TCB jeans カタログ抜粋

20年代はカンヌキミシンのパワー不足でしょうか？

はたまた、サスペンダーが主流で本格的に使う人が居なかったからでしょうか？

20年代のベルトループは2×1のライトozのデニムで作られていましたが、37はベースと同じで生地で丈夫に作られています。

偶然でしょうが、中高に仕上がっていますのでTCBでも同じ形状に仕上げています。

針幅は7/32インチの5.6cm幅、ベルトループ幅は1.5cm幅です。

ベルトループ中央部の色落ちが、中高の感じを物語っています。

TCB jeans カタログ抜粋

参考にしたVintageのボタンは鉄素材なのですが、明らかに20'sとも40'sともフィニッシュが違う白いボタンになります。
正直この白い風化が何なのかは分かりません。

個人的に勉強した結果、鉄ボタンに錫（すず）メッキを採用しました。

錫は金、銀に次ぐ甲かな金属になりますが、メッキを施し、白くなった表情が一番Vintageに近かったからです。

当時、鉄素材の無垢だと錆でボタンが取れたりするから錆止めでフィニッシュを模索していた30年代なのかな？と妄想しました。

Vintageでも一部確認が出来るのですが、使い込む事によりメッキが剥がれ鉄の無垢が錆て少し茶色が浮いてく事も想像できます。

TCB jeans カタログ抜粋

Vintageを参考に1/4インチで縫製しています。

先日、MOTOの本池さんがサラッと普段着で穿いてたビンテージは同じ37モデルでも1940年代に入って製作された後期モデル。

後期モデルにおいてはヨーク高＆左高ですが、この37モデルは、身頃高の右高になりますので、正反対の構造です。

TCB jeans カタログ抜粋

腰帯のVステッチは、501XXらしい仕様ですが、この37前期にはまだ見られません。

腰帯の下部はチェーンステッチですが、チェーンステッチは縫い終わり部分から引っ張れば、全てが簡単にほつれてしまうような弱くもあるステッチです。

Vステッチ（シングル）で、その縫い目を上から踏んであげることで、ホツレ留めとして機能します。

帯上シングルを縫う際に、ベルトループや革パッチも一筆書きで縫うついでであれば、手間も掛からないし、補強も兼ねてVステッチまで入れちゃった方がより丈夫になるよね？といった会話が、きっと当時の工場から生まれていったのでしょうね。

TCB jeans カタログ抜粋

初めて手に取った時に、程度が良いってことも有るのですが、まず驚いたのは生地のコシとハリでした。

まずは糸の太さや形状を確認する所から始めました。

調べると、一般的な耳付きの中と比べて糸の打ち込みが多いことも特徴的でした。

解析の結果、経糸も緯糸も同じ6版を採用し14.1ozになります。

TCB jeans カタログ抜粋

一般的にVintageタイプの生地を作る時に経糸に対して、緯糸はムラを弱くする事が多いのですが、今回は経糸と同じ糸を緯糸にも使用しています。

その結果、参考にしたVintageと同じ様な表情と、ガシッとした穿き心地を再現しました。

いきなり線で落ちるのでは無く点で落ちるような生地感です。

TCB jeans カタログ抜粋

モデルは32inchで丁度良いサイズ感ですが、インチアップして34inchを着用しています。

インチアップして穿いても格好良いのでお勧めです。

ヴィンテージを踏襲して製作しているTCBの製品はどれもヴィンテージのような風合いに経年変化していくのが特徴です。

抜群の色落ちが楽しめるジーンズです。

Cap

：

THE H.W.DOG&CO.

別注 BASEBALL CAP

Jacket

：

TCB jeans

30's Jacket 1st

Belt

： 

Vintage Works

Leather belt 7Hole

Pants

：

TCB jeans

TCB 30's jeans C

TCB jeans（TCBジーンズ）

デニムの聖地、岡山県倉敷市児島にあるジーンズの縫製工場の自社ブランド「TCB Jeans」 。
ジーンズ好きが集まって日々作られる製品たち、シンプルな中に細部にまで行き届いた見応えのあるディテールから、知識や縫製などの技術力の高さが伺えます。
着用と洗濯を繰り返して生まれるヴィンテージのような風合い。
自分だけの一着に育っていく過程が楽しめるのも魅力です。
製品の魅力を最大限引き出すモノ作りは圧巻です。

Cotton100%

167cm 62kg 

着用サイズ 34インチ

色は実物に近い掲載を心掛けておりますがご覧の環境により、多少色具合が異なって見える場合もございますのでご注意下さい。

サイズ計測の多少の誤差はご了承ください。

鉄製のボタンは新品の状態から錆びている場合がございます。

製品の特性としてご了承ください。

製品はワンウォッシュ済みです。